雑記惑星あんのん

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【麒麟がくる】第17話の感想。長良川の対決(名言&セリフ付き)

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【麒麟がくる】第17話では、

斎藤道三と息子の高政が長良川付近で激突し、

道三の討ち死にという、悲しい最期が描かれました。

 

また光秀の明智家は道三側についたため、

叔父が守っていた居城が攻撃され、

落城するという憂き目に遭いました。

 

光秀は叔父の言いつけで、

故郷の美濃から出ることになるんですが、

明智荘の人々との別れが悲しかったです。

 

www.nhk.or.jp

 

 

 

【あらすじ】道三VS高政、決戦の行方は・・・

 

織田信長(染谷将太)の正室・帰蝶(川口春奈)は、

父・斎藤道三(本木雅弘)を美濃から逃がすため、

伊呂波太夫(尾野真千子)に工作を頼んでいました。

 

だが、道三はそれを断ってしまったので、

帰蝶は悲嘆にくれるのでした。

 

さらに信長が道三の救援に行くと言い出したので、

帰蝶は「みな、愚か者じゃ!」と怒りを露わにします。

 

光秀(長谷川博己)は、

叔父・光安(西村まさ彦)が道三側についたため、

幼い頃からの学友であった斎藤高政(伊藤英明)と、

袂を分かつことになりました。

 

道三と高政は長良川を挟んで決戦の時を迎えます。

 

道三側は約2000、高政側は10000以上の兵力でしたが、

序盤は一進一退の攻防で、道三側も善戦していました。

 

しかし高政本隊が出てくると、形勢は悪化します。

 

道三は最後の大ばくちで高政に一騎討ちを挑みました。

それは悲しい運命に翻弄された親子の最後の会話でもありました。

 

登場人物はこちら

 

www.nhk.or.jp

 

【感想】大義なき戦は虚しいだけ

 

道三と高政が衝突した「長良川の戦い」は、

1556(弘治2)年の4月20日に行われたといわれています。

 

高政が土岐家旧臣たちを味方につけ、

圧倒的な戦力差で勝利したんですが、

道三ほどの知将があっけなく負けたのは不思議ですね。

 

何故なら、地の利を生かした戦い方をすれば、

劣勢を跳ね返すチャンスがあったからです。

 

劇中ではまったく触れられていませんでしたが、

長良川って、浅い川ではなかったんですよ。

 

 

長良川(ながらがわ)は、岐阜県の郡上市に始まり、

ダイビングを行う美濃を経て伊勢湾に注ぎます。

1985年に環境省の「名水百選」に、

また2001年には「日本の水浴場88選」に、

全国で唯一河川で選ばれた清流です。

川にしては珍しく、

水深が深いところでは18mほど(通常ダイビングは4~12m)あり、

エキサイティングなダイビングすることができます。

 

美濃長良川ダイビングリゾート|アーバンプラネット

 

 

つまり、高政の大軍を川に誘き出して身動きできなくすれば、

寡兵の道三軍にも勝機はあったと思うんです。

 

大軍というのは平地では有利ですが、

複雑な地形のところでは機動力がぐんと落ちるので、

何故そういった策を思いつかなかったのでしょうか。

 

しかも光秀は鉄砲隊を任されていたので、

渡河できない大軍を狙い撃ちすれば、

土壇場からの大逆転も不可能ではなかったと思うんですよ。

 

高政の軍は17500といわれていたんですが、

従っていたのは土岐家旧臣の寄せ集めなので、

数だけは多い烏合の衆だったはずですから。

 

とはいえ、最上の策は「戦をやらないこと」です。

 

勝っても負けても国は傷つきますし、

あとの復興がたいへんですからね。

 

それでも、その戦に大義があるなら仕方ありませんが、

道三と高政の場合は家庭内の私怨からはじまったものなので、

内々で解決するのがベストでした。

 

この拗らせ親子は人のいない野原でタイマンを張るか、

納得行くまでとことん話し合えば良かったんですよ。

 

大義なき戦は虚しいだけで、何の意味もありません。

 

また隠居した(させたれたという説もある)道三が、

守護代返り咲きを狙っていたらしいので、

当時の美濃は二重政権だったと考えられます。

 

いつの世も政権をめぐる派閥争いは醜いものです。

 

高政の大いなる過ち

 

誰でも一度は、自分の親に対して不満を持つものですが、

私も幼い頃は父に対して反発したことがあります。

 

昭和7年生まれの父は貧しい家の生まれでした。

 

時代の影響でほとんど学校には行っておらず、

戦後まもなく大工の棟梁のもとに奉公に出されたといいます。

 

私が小学校2年の頃、父親参観がありましたが、

友だちのお父さんはパリッとしたスーツ姿なのに、

父は作業着姿で教室にいました。

 

学校側から服装の指定はなかったんですが、

当時のスーツはたいへん高価なもので、

わが家には買う余裕がありませんでした。

 

私はなんともいえない気持ちになって、

「次の父親参観の日は学校を休んでやる!」と思いました。

 

だから、高政の気持ちはわからなくもないんですよね。

 

現代では小説やゲームの影響で、

「斎藤道三は戦国の梟雄」として評価されていますが、

当時の価値観では、成り上がり者は卑しいと思われていたのでしょう。

 

かたや土岐家は源氏の血を引く名門でしたし、

高政の母は土岐頼芸の愛妾だった女性なので、

高政はとんでもない勘違いをしてしまったんですよ。

 

貧しい大工の娘より、中堅企業の重役の娘がいい。

そう思った私と同じです。

 

しかし高政が私と違ったのは、

父親のパーソナリティを一切認めようとはせず、

最後まで土岐家の幻にしがみついたことでした。

 

それはおそらく、大きなコンプレックスを抱えていたからなんでしょうね。

 

高政の怒りの原因

①道三が学友の光秀を褒めたこと。

②道三が娘婿の信長を気に入ったこと。

③道三が異母弟の2人を特別扱いしたこと。

 

光秀は自分の親友だったので、まだ我慢できたのかも知れませんが、

信長や異母弟たちに関しては、看過できないものがあったのかも知れません。

 

でも、高政が美濃国主になれたのは、

道三が「側室生まれで出来の悪い息子だ」と思いつつも、

嫡男として扱ってくれたからです。

 

もし道三が高政のことを嫌いだったら、

帰蝶の最初の夫・土岐頼純のように暗殺していたはずです。

 

asteroid0505.info

 

だから高政は「自分は認められていない」などど、

誤解する必要はありませんでした。

 

高政の過ちは光秀たちへのコンプレックスを上手く昇華することができず、

「すべて父親が悪い」と思ってしまったことですね。

 

ちなみに、私の父は司馬遼太郎さんの国盗り物語が大好きで、

よく斎藤道三のことを話してくれました。

 

幼い頃は何の話だか、まったくわからなかったんですが、

今にして思うと、当時聞いていたことが、

人生の端々で役に立っているような気がします。

 

私は自他ともに認める歴女ですが、

そうなれたのは父のおかげだと思っています。

 

ドラマの脚本や演出についても書きたいことがあるんですが、

かなりの長文になってしまったので、

それはまた別の記事で語ることにいたします。

 

【セリフ】光安の慈愛に号泣

 

明智十兵衛光秀(長谷川博己)

 

(道三を討ち果たした高政に対して)

まことの気持ちを聞きたい。

道三様はそなたの実の父親ではなかったのか?

 

わしは土岐頼芸様にお会いして、

一度たりとも立派なお方と思うたことはない。

しかし道三様は立派な主君であった。

己への誇りがおありであった。ゆるぎなき誇りだ。

土岐様にもお主にもないものだ。

わしはそなたには与せぬ。それが答えだ。

 

城へは参りませぬ。

逃げまする。

それが・・・叔父上のご命令です。

落ち延びよと。

 

かたじけない。

そう申してくれるだけで。

われら明智家こそ、

長きにわたり皆に支えてもらい、世話になり・・・

それがこうして出て行くことになろうとは。

無念というより他・・・

伝吾、すまぬ。

無念じゃ・・・!

 

(村の者たちへの別れの言葉)

皆の志はまことにありがたい。

だが、早々に立ち帰れ。

皆、達者でおれよ。

また会おう。また会おうぞ!

 

斎藤利政(本木雅弘)

 

おもしろや この宿は

縦は十五里 横七里

薬師詣での その道に

梅と桜を 植えまぜて・・・

 

己を欺き、偽りを言う者の軍門には降らぬ!

ならば聞く。そなたの父の名を申せ!

 

我が子よ。高政よ、

この期に及んでまだ己を飾らんとするか!

その口で皆を欺き、この美濃をかすめとるのか!

おぞましき我が子、醜き高政!

 

我が子、高政・・・愚か者。

勝ったのは道三じゃ・・・

 

斎藤高政(伊藤英明)

 

(道三に一騎討ちを挑まれて)

それはまた大仰な!

負けとわかった悪あがきか!

 

負けを認めよ!

命までは取らぬ、我が軍門に降れ!

 

我が父は土岐頼芸殿、土岐源氏の棟梁ぞ!

 

蝮の罠にはめられた。

殺せば親殺しの汚名が先々つきまとう・・・蝮の狙い通りだ。

 

十兵衛! そなたは間違いを犯した!

わしの元に参らず敵に寝返り、わしを裏切った。

いま一度機会を与える。ただちにわしのもとに参れ。

わしの行う政事を助けよ。さすればこたびの過ちは忘れよう。

 

次会うた時は、そなたの首を刎ねる。

明智城は即刻攻め落とす。覚悟せよ。

 

明智光安(西村まさ彦)

 

わしは今日、この場で、

明智家の主の座をそなたに譲りたい。

道三様のことは無念至極であった。

この城もまもなく高政方に攻められる。

3000あまりの兵だという。

われわれは300に満たぬ兵じゃ。

戦にならぬ。

先ほど、主だった家臣たちと話し合うたのじゃ。

このままここに立て籠もり、

あの手この手で戦うても、いずれはみな討ち死にじゃ。

そなたも、わしも、左馬助も。

そうはならぬと言い切れるか?

我らが討たれれば、明智家は途絶える。

わしはそなたの父上から家督を継いだ。

ゆく末はそなたを立て、明智家の血は決して絶やさぬと約束した。

兄上から渡された明智家の旗印じゃ。

城を失うのはつらい。亡き兄上に申し開きができぬ。

されど明智家が滅びるのは座視できぬ。

なんとしてもそれは避けねばならぬ。

これはそなたの父上の声と思うて聞け。

一旦城を離れ、逃げよ。

逃げて逃げて逃げて生き延び、

明智家の主として、再び城を持つ身になってもらいたい。

そなたならそれがやれる。

許されるなら、この左馬助もそこに加えてもらいたい。

 

事、ここに至ったのは、わしの力のなさが元じゃ。

伏して詫びを申す。

 

他の者も落ち延びるよう命じた。

伝吾たちは槍を持つが、元は百姓じゃ。

我らを助け、よう戦ってくれたが、

刀を捨て田畑に戻れば、高政も切り捨てはせぬ。

 

わしはこの城の最期をしかと見届け、あとを追う。

 

藤田伝吾(徳重聡)

 

十兵衛様、お方様、奥方様。

今日まで長々とお世話になりました。

私も村の者も何もお助けできず、口惜しい限りでございます。

お供してお守りしたくても、田や畑は持って歩けませぬ。

ご一緒にと思うてもできませぬ。

 

(逃げないと言った牧を説得)

お方様。

お気持ちは私も村の者も、みな同じでございます。

大事な田や畑や山や川を、

この先、10年20年。

皆で守って行こうと思うております。

いつの日か、お方様もまたお戻りになられた時、

何も変わらず、この里も村もあります。

それをまた見ていただくために、今日は旅に出てくださりませ。

 

牧(石川さゆり)

 

私はここに残りまする。

ここは亡き夫・光綱様が、終生大事にされた父祖伝来の地。

いま捨てろと言われても、捨てるわけには行きません。

 

できぬものはできぬ!

 

帰蝶(川口春奈)

 

(道三を救援に行こうとする信長に対して)

負けとわかった戦に巻き込まれるのは、

愚かというもの。

 

基本情報

 

放送日:2020年5月10日

脚本:池端俊策、岩本真耶

視聴率:14.9%